好熱菌(こうねつきん)は、至適生育温度が45℃以上、あるいは生育限界温度が55℃以上の微生物のことを言う。古細菌の多く、真正細菌の一部、ある種の菌類や藻類が含まれる。特に至適生育温度が80℃以上のものを超好熱菌と呼ぶ。極限環境微生物の一つ。
生息域は温泉や熱水域、強く発酵した堆肥、熱水噴出孔など。ボイラーなどの人工的熱水からも分離される。地下の深いところからもBacillusやArchaeoglobusなどが見つかるため、地殻内にかなり大きな生物圏を持っていると考えられている。そのバイオマスは莫大で、地表の生物圏を上回るという試算もある。
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系統樹を描いた場合、好熱菌はその根元付近に集中する、特に基部付近は全て超好熱菌に占められている。これらのことから全生物の共通祖先は好熱菌だったのではないかという説もある。
1960年代 陸上の温泉(イエローストーン国立公園、日本では箱根、伊豆など)から菌を分離。生育限界温度80℃以上の微生物が発見され始める。
1970年代 潜水艇アルビン号により深海熱水鉱床が発見され、熱水噴出孔に微生物が存在することを示唆。
1980年代 至適生育温度が100℃以上の微生物が多く発見される。生育限界温度は1980年には87℃ (Sulfolobus solfataricus) であったが、1983年にはPyrodictium occultumが発見され、一気に110℃に達した。
1993年 キャリー・マリスが耐熱性DNAポリメラーゼを用いたPCRの研究によりノーベル化学賞を受賞する。このとき用いられたDNAポリメラーゼは好熱菌 (Thermus aquaticus) のものであり、Taqポリメラーゼの名前はここに由来する。